顔のない敵/石持浅海

一九九三年、カンボジア。NGOのスタッフが地雷除去作業をつづける荒れ地に、突然の爆発音が轟いた。立入禁止区域に、誰かが踏み入ったのだ。頭部を半分吹き飛ばされた無惨な死体。これは、純然たる事故なのか、それとも―。表題作のほか、本格の旗手・石持浅海の原点ともいうべき「対人地雷」ミステリー全六編と、処女作短編で編まれた第一短編集が待望の文庫化。—アマゾンより


地雷をテーゼとした作品を集めた短編集。
最後の作品だけは地雷と関係ない処女作の短編なのだが、作家・石持浅海を象徴するかのような作品なので、これもそういう意味では”地雷”なのかもしれない。

各短編は探偵役はそれぞれ異なるが、登場人物が入れ替わり立ち代り登場していて、また人間関係や事件をきっかけとした未来を描かれているので飽きずに読むことができる。
被害者が探偵役になっていたり、加害者が探偵役になって登場するのも、石持作品の特異性を表していて面白い。

色々な作品において、動機や犯行に至る状況が賛否(そういう意味では新本格派作家らしい)ある作家だが、私は別段おかしいと感じたことはない。
今回の作品に限っていえば、動機的には一般にも納得できるものだろう。

石持作品が食わず嫌いな方は、当短編集と長編の「扉を閉ざされたまま」を是非読んでいただきたいものである。



顔のない敵 (光文社文庫)

著者/訳者:石持 浅海

出版社:光文社( 2009-01-08 )

定価:¥ 560

Amazon価格:¥ 560

文庫 ( 291 ページ )

ISBN-10 : 433474527X

ISBN-13 : 9784334745271


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