ミステリーにおける最大の謎は、人の心の奥深くにある―。警視庁の大迫警視が、あのハイジャック事件で知り合った「座間味くん」と酒を酌み交わすとき、終わったはずの事件は、がらりとその様相を変える。切れ味抜群の推理を見せる安楽椅子探偵もの六編に、「月の扉」事件の十一年後の決着を描いた佳編「再会」を加えた、石持ミステリーの魅力が溢れる連作短編集。
7編中6編はいわゆる安楽椅子探偵もので、ほとんどが大迫刑事と座間味くんの会話で事件が収束する。
座間味くんの推理が披露されたあとは、事実確認がなされずに各短編は終わるが、それが真実なのか否かは重要ではなく、物語は違う方向から光をあてるとまったく違った形に変容するということを語りたいということに尽きている。
最後の短編である「再会」にそれが集約しているといえよう。
正直、最後以外の短編はなかなか楽しめたが、結末にあたる「再会」はイマイチ釈然としないものがあった。
もう少し、捻った内容が欲しかったというのは欲張りだろうか。
とはいえ、著者の力作であるのは間違いなく、再び座間味くんが安楽椅子探偵として登場することに期待しているのは私だけではないだろう。
著者/訳者:石持 浅海
出版社:光文社( 2009-09-08 )
定価:¥ 520
Amazon価格:¥ 520
文庫 ( 261 ページ )
ISBN-10 : 4334746438
ISBN-13 : 9784334746438



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