消費税が施行された年に、浅草の商店街で殺人事件が発生する。犯人は浮浪者の老人で、被害者は菓子店の主婦。目撃者は多数おり、一様に「消費税を請求されたことに腹をたてたから」と動機を語る。
しかし、彼をよく知る人は一様に「人殺しをするような人ではない」と主張する。
刑事の吉敷竹史は、何故老人がナイフで主婦を刺したのかを追求していくうちに、何十年も闇に潜んでいた大きな謎にぶちあたることになる。
鬼才・島田荘司の書き下ろし長編。
この作品は、島田氏が本格ミステリ論なるものを斯界で発表し、推理小説家の間で賛否両論あった直後の作品だけに、「これが本格だ!」という持論が如実にカタチとなって現われている。
しかしながら、ただ本格ミステリ一辺倒ではなく、主人公・吉敷の人間臭さや国家権力に対する葛藤が描かれていてよい。
読む角度を変えれば、ドラマとしても本格ミステリとしても社会派ミステリとしても楽しむことができる、何とも贅沢な一品である。
トリックは後半序盤で解けたが、それでも大きな謎に挑む吉敷刑事の姿は読む者に感動を与えていく。
著者/訳者:島田 荘司
出版社:光文社( 1993-03 )
定価:¥ 700
Amazon価格:¥ 700
文庫 ( 451 ページ )
ISBN-10 : 4334716628
ISBN-13 : 9784334716622
wrote by 2006/02/07



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